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キッチン防災術 鍋でご飯を炊く【JAコラム】

2019年01月24日コラム

食文化・料理研究家●坂本佳奈

母も祖母も、お米さえあれば災害があっても、いつでも安心だと言っていました。常温で保存ができ、炊けば腹持ちが良いお米は防災用品としても欠かせないようです。非常時も、1合(180ml)や半合を時間をかけて炊くよりも、2~3合まとめて鍋で炊いてしまう方が燃料の節約になります。1合は重さで150g、ご飯になると350gぐらいになります。お茶わんに盛って150gぐらいですから、1合はだいたいお茶わん2杯分と少し余り、となります。2合炊くと、お茶わん4杯から5杯のご飯が炊けます。2合の鍋ご飯に必要なのは、容量が2Lぐらいのふた付き鍋、水です。

歌を一つ覚えてください。「始めちょろちょろ、中ぱっぱ、ジュウジュウいったら火を引いて、赤子泣いてもふた取るな、最後に藁(わら)を一握り」を、『どんぐりころころ』の曲に乗せて歌います。そしてその通り炊いていくと、あら不思議、ご飯が炊けます。

この歌の意味は、鍋が温まるぐらいまでは弱火、鍋が温まったら強火にして中の水が一筋こぼれるぐらい吹き上がったら、火をごく弱火にして10分、最後にいったん強火にし30秒。最後に藁を一握りとは、薪(まき)でご飯を炊いていた頃、最後に藁をくべて短い時間強火にすることです。そしてそこからふたを開けずに10分くらい蒸らします。

ガス、電気(IH)、薪など、熱源は水を沸騰させることができるならば何でも構いません。使う鍋もできれば底が分厚く熱が均等に伝わる物がいいのですが、ふたがキッチリできれば大丈夫。平時に、ぜひ一度、鍋ご飯を炊いてみてください。意外と簡単です。

もし失敗して芯のあるご飯ができたときは、耐熱容器に移し、水を50mlほど入れて、ラップをして電子レンジにかけます。硬いときは炒めてチャーハンに、軟らかくなってしまったときはお粥(かゆ)か雑炊に炊き直しましょう。

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