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お米で健康 不足しがちな食物繊維【JAコラム】

2019年02月24日コラム

管理栄養士・雑穀料理家●柴田真希

私たちの食事の栄養バランスが理想的かどうかの指標に、「日本人の食事摂取基準」があります。日本人の食事摂取基準は厚生労働省から発表され、国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギーおよび栄養素の量の基準を定めています。カルシウムやマグネシウムなど推奨量に足りない栄養素があり、その一つが食物繊維です。

食物繊維の目標量は成人の男性20g以上、女性18g以上とされています。それに対し、摂取量は年代により異なりますが男性で約4~8g、女性で約2~6g不足していて、いずれも20代の男女が最も不足しています。

考えられる原因として、野菜の摂取量の不足です。「年を取って量を食べられなくなった」とはよく聞く言葉ですが、20代が一番野菜を摂取できていません。また、糖質オフ・炭水化物抜きダイエットなどから穀物の摂取量が減ってきていることや、昔に比べ穀物の精製度の高い物を食べることが多くなっていることが考えられます。

しっかりと食物繊維を取る「ご飯食」にすることで解決ができます。まずしっかり食物繊維豊富なご飯を食べること。ご飯100g(おにぎり1個分)の食物繊維量は玄米1・4g、胚芽精米0・8g、白米0・3gです。白米よりも精製度の低いご飯にすることで同じ量でもより多くの食物繊維を摂取することができます。またご飯と一緒にみそ汁を食べますが、そこにたくさんの野菜や海藻を入れることでこれらの不足も解決できます。野菜はサラダをイメージしますが生で食べるより加熱することで多くの量を取ることができます。パスタやラーメンなどの麺類に野菜を合わせるのは少量になりますが、ご飯と合うきんぴらや煮物などからも野菜は取ることができます。ご飯そのものだけではなく、ご飯食にするだけで、バランスが整いやすくなるのです。

柴田真希(しばたまき) 株式会社エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。管理栄養士、雑穀料理家、フードスペシャリスト、1級惣菜管理士、健康食育シニアマスター、漢方養生指導士(漢方スタイリスト)。著書に『女子栄養大学の雑穀レシピ』(PHP出版)『おなかやせ定食』(主婦の友社)などがある。

JA広報通信1月号より

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