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ベランダでできるキッチンガーデン ピーマン【JAコラム】

2019年05月29日コラム

土壌医●藤巻久志

緑のピーマンは熟してくるとトウガラシのように赤くなります。赤いピーマンは青臭さが消え、甘くなり、栄養価も増します。

しかしなぜ、農家は赤いピーマンを出荷しないのでしょうか。それは熟すのに日数がかかり、青果は日持ちしないからです。緑のピーマンは開花後15~20日で収穫できますが、ピーマンが熟して赤くなるには60日くらいかかり、株への負担も大きくなります。パプリカ(大型ピーマン)のように肉厚ではないので、熟すとしなびやすくなります。

経済性よりも育てる楽しみを優先するキッチンガーデンでは、数個のピーマンを赤くしてサラダなどの彩りにしてもよいでしょう。子どもにも食べやすく、親子の会話も弾みます。畑でなくても、日当たりの良いベランダなら栽培できます。

熱帯アメリカ原産のピーマンはナス科でも最も高温性で、発芽適温も生育適温も25~30度です。キッチンガーデンでは発芽と育苗の高温を確保するのは難しいので、5月に苗を購入するのが一般的です。

10号(30cm)以上の鉢に市販の培養土を入れます。深植えにならないように苗を植え、倒れないように仮支柱を立てて軽くひもで縛っておきます。追肥は1週間に1度、1000倍の液肥を施します。

活着(根付くこと)すると1番花が咲き始め、側枝が伸びてきます。主枝と1番花のすぐ下から出てくる側枝2本を残し、他はかき取ります。仮支柱を50~60cmの支柱に換え、各枝を誘引します。果実が次々となるので、肥料切れにならないようにします。乾燥に弱いので、株元にわらやピートモスなどを敷いて、水やりを毎日します。

収穫ははさみで切り取ります。開花後20日を過ぎても外観は変化がないので、取り遅れないように注意します。ピーマンの和名は甘唐辛子で、トウガラシやシシトウも仲間。栽培方法も同じですが、肉詰めやみそ炒めに適しているのはピーマンです。

 

藤巻久志(ふじまきひさし) 種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。

 

JA広報通信4月号より

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