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食育とは何だろう【JAコラム】

2019年06月26日コラム

食育インストラクター●岡村麻純

 

大学の卒業論文のテーマは食育。食育について普通よりは勉強してきたはずの私ですが、母親になり、子どもたちの食事を毎日作っていると悩むことばかりです。硬いと言って息子がお肉を食べないとき、夫に「かむ力が足りないと体にも脳にも良くないぞ。もっと硬い物を食べさせないと」と注意されると、「そんなことは私がよく知っている!」とけんかになることもあります。厳しい夫に、「何より楽しく食事をすることが大切だよ」と諭すこともあります。そこでふと、そもそも食育とは何だろう、私は何を学んでほしいのだろうと考えることがあります。

政府は、食育とは「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる力を育むことと記しています。健全な食生活とは、主に、栄養バランスの良い食事、リズムの整った食生活といえます。この生きる上で必要な基本的なことをわざわざ学ばなければならないのは、食べ物があふれる裕福な暮らしになったからです。生きていくのにぎりぎりの食べ物しか手に入らなければ、食べ物を選択することすらできません。食べ物がなければ、そもそも決まった回数食事をすることもできません。

そんなふうに考えていたら、私が子どもたちに学んでほしいことはただ一つ。食べられるということへの感謝です。現在も世界には飢餓で亡くなる子どもたちがたくさんいます。それを思うと、お菓子ばかり食べて夕食を廃棄するなんてできるはずもありません。好き嫌いはしないでと言うのも、食事中に肘は突かないで、と怒るのも、全ては食を大切にする心を身に付けてほしいからです。この飽食時代の子どもたちに食べ物の大切さを伝えることはとても難しいことです。まずは大人が食への感謝を忘れなければ、「これ食べたくないからあれ買って」、そんな子どもの言葉につられそうになっても、踏みとどまることができるのではないでしょうか。そこから食育が始まります。

 

 

岡村 麻純(おかむら ますみ) お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。

公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

JA広報通信5月号より

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