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食アレルギーへの配慮【JAコラム】

2019年06月29日コラム

食文化・料理研究家●坂本佳奈

 

私が被災した阪神・淡路大震災でも、自炊できない人は冷め切ったおにぎり、菓子パンくらいしか口にできず、炊き出しでの温かい食事は「気持ちが生き返る」と聞かされました。炊き出しは豚汁やカレーなどの汁物が多かったように思います。スーパーも卸売市場も被災して、生鮮食品が不足しました。そんな中、農家の方々が「ごく普通の食事ですけど……」と持ってきてくださった「ホウレンソウのごまあえ」は涙が出るほどのおいしさでした。今でも、あのときの味を思い出します。「選んではいけない、食べ物があるだけでありがたい」状況でしたが、それでもおいしい物を食べて、心も体も元気になれたと感じました。

普段、水道などのインフラが整っているときは、あまり問題にはなりませんが、ひとたびインフラが止まってしまうと食の弱者になってしまうのが食物アレルギーを持つ人や、よく煮込んだ軟らかい食事など、特殊な食事を取らなければならない人です。

食物アレルギーは症状が起こると、体のあちこちに炎症を起こします。もしも空気の通り道に炎症が起こってしまうと息が詰まって死に至ることすらあります。そこがアレルギーの怖いところです。アレルギーのない人にはその食品は毒ではありませんが、アレルギーのある人にとっては毒になってしまうのです。ストレスがかかる被災後の生活では、通常よりも重い症状が出てしまうこともよくあります。

工場で作られた製品はアレルギーを持つ人にとって安心です。原材料が表示されているので、食べる・食べないという判断ができるからです。「隠し味」や「秘伝の味」と隠されてしまうと、食べることができないことがあります。炊き出しなどで、食事を提供することになったときは、使った食材や調味料を書き出してください。その方が親切が伝えたい形で伝わります。

JA広報通信5月号より

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