JA北新潟

最新情報NEWS

油の種類【JAコラム】

2020年04月27日コラム

食育インストラクター●岡村麻純

料理をするときに欠かせない油。スーパーでもたくさんの種類が並んでいます。その多くは植物油で、不飽和脂肪酸と呼ばれる成分が多く含まれています。不飽和脂肪酸は酸化しやすいのが特徴で、酸化してしまうと栄養も低下し、体に良くない影響を与えてしまうことがあります。そのため油は、特徴に合った使い方、適した保存が必要です。

植物油に含まれるのは、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸という三つの代表的な不飽和脂肪酸です。その中で、リノール酸とα-リノレン酸は、体内で合成できない必須脂肪酸で、食事から摂取しなければなりません。リノール酸が不足すると、成長、妊娠、皮膚などの生理機能に、α-リノレン酸が不足すると、中枢神経や網膜機能に影響が出てしまうことが分かっています。

リノール酸が多く含まれる油には、ごま油があります。ごま油は、ゴマの風味が調味料としての役割を果たしてくれますが、ゴマに含まれる成分に高い抗酸化性があるため、高温調理にも向いています。α-リノレン酸は、とても酸化に弱く不安定なものです。えごま油やあまに油に多く含まれますが、加熱には向いておらず、生食用の油として使われます。

もう一つのオレイン酸も悪玉コレステロールを下げる働きがあります。オレイン酸はオリーブ油に多く含まれます。オリーブ油は香りが良く、生食でも使われますが、酸化しにくいので加熱料理にも向いています。また、米ぬかから作られる米油は、リノール酸とオレイン酸は多く含みますが、α-リノレン酸をほとんど含まないため安定していて、揚げ物などにも向いています。

油は、必須脂肪酸があるように、体内に必要な食品です。しかし、光や熱、空気に触れることで酸化してしまいます。冷暗所に保存すること、使用を開始したら長期保存はしないこと、加熱する場合は加熱に適した油を使うことなど注意が必要です。

岡村 麻純(おかむら ますみ) 1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。
公式ブログ:https://ameblo.jp/masumiokamura/

JA広報通信3月号より

カテゴリー
アーカイブ