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朝食にとろとろ卵を目指して【JAコラム】

2020年12月21日コラム

食育インストラクター●岡村麻純

わが家の朝は、パン食です。パンだけでは栄養バランスが気になるので、そこに野菜1品、ソーセージなどの肉類1品、卵料理、そして鉄分補給も意識してグラノーラを入れたヨーグルトに果物というのが決まったメニューです。

その毎朝作る卵料理、娘と息子で好みがまったく違います。息子は、オムレツやスクランブルエッグのように混ぜた卵料理が大好き。一方娘は、目玉焼きやゆで卵のような白身と黄身が別々のままの卵料理が好きです。結果、毎朝交互にお互いの好みに合わせているのですが、3歳の娘は特に厳しい。目玉焼きやゆで卵でも火を通し過ぎると嫌がり、とろとろ卵がいいと朝から大騒ぎ。忙しい朝には大問題です。

この卵ですが、卵黄と卵白では成分が違うため、固まる温度、凝固温度も少し違います。卵白は60度から70度で変性して白くなりますが、固まらず、80度で流動性を失い90度で固まります。卵黄は60度から70度で流動性を失い、70度でねっとりと固まり、85度で粉っぽさのある固さになります。娘が好きなのは、この卵白80度以上、卵黄60度ほどの状態です。実際卵の温度を測りながらゆで卵を作ることはできませんが、卵を水から入れて、沸騰した後、3分から5分ゆでると、卵の殻に近い卵白は90度近くなりますが、中にある卵黄には熱が伝わり切っていないため、60度ほど。このタイミングですぐに冷水に漬けて、熱を奪えば、半熟卵が出来上がります。

ちなみに、この卵黄と卵白の凝固温度の違いを利用して作られているのが温泉卵です。温泉卵は、卵黄は流動性を失った状態で、卵白はまだ固まらない60度から70度に卵の温度を保つことで、黄身は丸くなっているのに、白身がとろとろという状態を作っています。

毎朝、ばたばたしながらも、娘のお好みの卵を作るべく、卵の内部温度のことばかりを考えている母です。

岡村 麻純(おかむら ますみ) 1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。
公式ブログ:https://ameblo.jp/masumiokamura/

JA広報通信11月号より

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