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日本酒とお米の関係【JAコラム】

2020年12月22日コラム

管理栄養士・フードスタイリスト●大槻万須美

日本酒は、お米を米こうじと酵母の力を借りて発酵させ、アルコールに変化させて造られます。日本酒のルーツは、稲作が伝わった頃までさかのぼるといわれ、お米で造られる日本酒は古くから日本の食文化でも欠かせない存在とされてきました。お米だけで造った「純米酒」、お米と少量の醸造アルコールを用いて造る「吟醸酒」や「本醸造酒」など、風味やこくなどにも違いがあります。

酒造りには、「酒米(酒造好適米)」と呼ばれる、酒造りに適した専用のうるち米が多く使われ、品種によって香りや切れなどにも違いが出るといわれます。酒米には、柔らかくてこうじ菌を増やしやすい、発酵時に米粒の中心まで溶けやすい、「心白(米の中心部にある不透明部分)」が大きい、精米時に砕けにくい、雑味の原因となるタンパク質が少なくアルコール発酵が順調に進みやすい、吸水性や保湿性が高い、といった醸造適性が求められます。

ご飯として食べられている食用のうるち米と比べて大粒ですが、米粒の外側ほどタンパク質や脂質が多く含まれているため、余分な成分が入らないように、玄米の3割から7割近くを削り取って酒造りに使われます。食用米の精米歩合は平均90%前後ですが、「清酒の製法品質表示基準」において、大吟醸なら50%以下、吟醸酒では60%以下、本醸造酒は70%以下、といったように精米歩合が定められています。

日本には、日本酒以外にもお米を原料とする酒があります。米こうじに酵母と蒸し米を加えて発酵させ、蒸留させて造る「米焼酎」や、米こうじと水を軟らかく炊いたうるち米に加えて、お米のでんぷんをブドウ糖に変化させて造るアルコールの発生しない「甘酒」などがあり、お米の味を感じられるお酒が多いのは、お米の国ならではといえますね。

大槻 万須美(おおつき ますみ) 楽しく食べて健康に。食の大切さを正しく伝えるため、ママと乳幼児のための料理教室やアスリートの食事指導、特定保健指導など幅広く活動。

JA広報通信11月号より

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