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おうちでお米作り【JAコラム】

2021年01月25日コラム

食育インストラクター●岡村麻純

子どもたちの幼稚園には田んぼがあり、土作りから、田植え、稲刈り、脱穀、そして最後は作ったお米での餅つきまで、体験させてくれます。昨年は田植えの大切な時期に幼稚園がお休みだったため、なんと苗が配られて、自宅のバケツでも栽培することに。毎日白いご飯をいただいておりますが、お米の作り方、その前にお米について知らないことがたくさんあると感じました。

息子がもらってきた苗は餅米でした。普段食べているうるち米はでんぷんの成分であるアミロースとアミロペクチンが約2:8の割合ですが、餅米は100%アミロペクチンです。アミロースは、グルコースが直鎖状につながっていますが、アミロペクチンはグルコースが枝分かれしたような状態でつながれているため、独特の粘りが出ます。でんぷんを多く含む物は、この割合によって食感が変わります。例えば、ジャガイモよりサツマイモの方がアミロペクチンの割合が多いため、ねっとりとした粘りがあります。

わが家の苗は、秋に向けて背が高くなり、まだかまだかと待っているとある日急にきれいな緑色の実が付いていました。子どもたちは大喜び。その後黄色くなり、穂先がたらんとお辞儀をしてきたので、稲刈り。ほんのわずかな量ですが、おうちでの稲刈りはまた新鮮さがありました。そして、逆さまに干して、その後が大変。家には専用の物はないので、脱穀・もみすりは1粒ずつつまんで、剥がしてみました。もみの中から玄米が出てくると、子どもたちにはお米ができた感動があったようです。

米という漢字は数字の八が二つ合わさっていて、お米を作るのに八十八もの手間がかかるからといわれているそうです。また、もみ1粒から茶わん1杯分のお米ができるということも知って、あらためて、「お米って1粒ずつで見てあげないとね!」とお茶わんの中の1粒を大切にしてくれるようになりました。

岡村 麻純(おかむら ますみ) 1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。
公式ブログ:https://ameblo.jp/masumiokamura/

JA広報通信12月号より

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