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野菜もの知り百科 タマネギ(ヒガンバナ科ネギ属)【JAコラム】

2021年02月21日コラム

土壌医●藤巻久志

秋まきのタマネギは、チューリップが咲き終わる頃、肥大のスピードを速めます。チューリップもタマネギもユリ科に分類されてきました。DNAが決める新分類ではチューリップはユリ科のままですが、タマネギはヒガンバナ科になりました。タマネギはねぎ坊主がヒガンバナの花に似ています。

食用にしている部分は鱗茎(りんけい)という茎なので、野菜生産出荷統計(農林水産省)や日本標準商品分類(総務省)では葉茎菜類に分類されています。タマネギの肥大は日長と温度に支配され、北海道は高緯度で寒さが厳しいので春まきして、本州以南は秋まきします。

北海道は晩生品種を用います。早生や中生品種を春にまくと、定植後すぐに肥大に必要な長日と温度が確保され、小さなタマネギしかできません。本州以南では9月に種まきして育苗し、11月に定植するのが一般的です。タマネギはグリーンプラントバーナリゼーション(緑植物体春化)型で、一定の大きさになった苗が一定の低温に遭うと花芽分化し、春にとう立ちします。地域の種まき時期を守り、早まきは避けます。大苗になるほど低温感応しやすいので、定植時に茎の太さが8mm以上の場合は除きます。

種は生き物ですから寿命があり、長命種子(寿命4年以上)、常命種子(2~3年)、短命種子(1~2年)に分類されます。タマネギは短命種子なので、毎年新しい種を購入します。単子葉植物のタマネギは子葉が折れ曲がって発芽する面白い特性があります。

タマネギを切ると細胞が壊され、硫化アリルなどの刺激物質が目や鼻を刺激して涙が出ます。ニンニクにも含まれている硫化アリルは、血液をサラサラにして、動脈硬化や脳血栓などを予防します。

現在は刺激物質の少ない品種が増え、タマネギを包丁で切って涙を流すシーンはドラマでもほとんど見られなくなりました。

藤巻久志(ふじまきひさし) 種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。

JA広報通信1月号より

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