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野菜もの知り百科 ブロッコリー(アブラナ科アブラナ属)【JAコラム】

2021年04月24日コラム

土壌医●藤巻久志

ブロッコリーもカリフラワーもアブラナ科アブラナ属の野菜で、原産地は地中海沿岸です。カリフラワーはブロッコリーが突然変異で白化した品種といわれています。日本ではカリフラワーが先に普及しました。本格的な普及はカリフラワーが1960年代、ブロッコリーが1980年代です。現在のブロッコリーの流通量はカリフラワーの5倍以上です。

カリフラワーの和名は花椰菜(はなやさい)です。ブロッコリーは1970年代までは木立(こだち)花椰菜や緑花椰菜と呼ばれていました。花椰菜という言葉は今ではほとんど使われていません。

抗酸化作用の強いカロテンとビタミンCが豊富で、生活習慣病の改善が期待されています。近年はブロッコリーに含まれているスルフォラファンの抗がん性が注目されるようになりました。葉菜類に分類されますが、食べるのは葉ではなく花蕾(からい)なので、栽培は果菜類に準じます。栄養成長(茎葉が大きくなること)と生殖成長(花や実が付くこと)のバランスが大切です。株を作りながら、花蕾を大きくします。

多くのブロッコリーは厳寒期になると、花蕾にアントシアニンの紫色が出ます。加熱すると緑色になり問題はないのですが、見た目で市場価格は下がります。主要産地ではアントシアニンレスの紫色にならない品種を栽培しています。

ブロッコリーはイタリアで品種改良が進み、17世紀に欧州各国に広まりました。米国の大産地、カリフォルニアでは19世紀にイタリア系移民が栽培を始めたといわれています。

低温流通が普及し、ブロッコリーは中国やインドでも大量に消費されています。海外で栽培されている品種の半分以上は日本の種苗会社が開発した物です。日本の野菜の育種技術は世界のトップクラスです。

藤巻久志(ふじまきひさし) 種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。

JA広報通信3月号より

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