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在来品種を守る~興野梅団地組合~
2021年07月03日トピックス

梅の選別作業を行う組合の方たち
新発田市本田地区の興野梅団地組合は6月20日から地元の旧公民館を利用し、梅の樹560本から収穫した梅の選別を行いました。「越の梅」「藤五郎」が栽培の主流のなか、「小坂梅」は全体の2割を栽培しています。「小坂梅」は種が小さく、果肉が厚めで、食味がよいのが特徴です。反面、色が淡く果肉が柔らかいため、傷みやすい繊細な側面もあります。
在来品種は、収量が少ない、形質が揃わない、日持ちが悪く流通が困難など、生産効率の面で経済的に見合わないとされ、消滅するものも少なくありません。「小坂梅」も例外ではなく、在来品種には多様な遺伝資源となる新品種を生み出す源泉とも言われている中、今季は新型コロナの影響を受け、梅酒用としての出荷の低迷が著しかったようです。JA園芸指導の中山千夏担当は「6月の梅雨が少なかったが収穫は順調です。来年に向けて出荷先の販路拡大に向けても入念に準備していきたい」と話しました。
当組合の斎藤十三夫組合長(78)は「組合は高齢化で維持していくのが精いっぱいだが、健康に気を付けながら、在来品種の生産を維持していきたい」と話しました。
戦後に松林を開墾し、リンゴや柿を植えた中で梅が一番よく育ったことが始まり。「興野梅団地組合」は12名の生産者で構成。今年3月に56回目の総会を終えています。